Grundy数の話

Grundy数(グランディ数)という重要な概念がある。

組合せゲーム理論の概念なのだけど競プロでもよく出てくるから、今更自分が解説しなくても世には素晴らしい解説記事がいっぱい溢れていると思うのでそっち方面の話はしないけれどもここで言いたいのはその名称についてだ。

Grundy数という名前だから当然Grundyさんが発表したのだと皆は思うだろうしそれは一面では正しいのだけど実はGrundyさんのちょっと前にSpragueさんという人もこれを発表している。なのでSprague数になっていてもおかしくはなかった。有名にならなかったのはSpragueさんが東北の数学誌にドイツ語(?)で出していることとか、第二次世界大戦前夜という当時の情勢の結果だろう。なのでGrundy数と呼ぶのではなくSprague-Grundy数と呼ぶべきという意見もある、ほかにもそれを略したSG数、G-value、Nimber、エネルギーなどなど、実は様々な表現をされているのがこの概念だ。組合せゲーム理論を研究していると、そんな風に色んな形でGrundy数が現れるので面白くもあり、ややこしくもある。競プロ界隈ではあまりGrundy数以外の表現を見かけないような気がするので、わかりやすい反面、Spragueさんのことを思うとちょっと複雑な気持ちにもなるのだった。